私は以前設備部品のセールスエンジニアの仕事をしていたことがある。設備部品なのであらゆる業界の顧客の現場でその取り付け工事の見積もりから現場施工まで担当することも多く、その工事は外注先に委託していた。
外注先は中小企業のオーナー。
彼にはいろいろ教えてもらったが、今でも一番印象に残っている言葉を紹介したい。
それは愛媛へ行くフェリーの中での会話。
そのオーナーは日本アームレスリング軽量級で二位の実績を持っており、軽量級と言えども、一般人から見れば筋肉隆々、タンクトップ姿でいればその筋肉の盛り上がりは一目瞭然であり、顔もいかつく知り合いでなければ近寄りたくない雰囲気を漂わせている。
私はそんな彼に恐る恐る聞いてみた、どうすれば成功しますか?
彼は即答で「数多く失敗すること」と当たり前の如く何の躊躇いもなく答えてくれた。彼はこんなことを一切覚えていないと思うが、私の脳裏には焼きついたのだ。
負けるから闘争本能に火がつく。
負けるから必死に知恵を絞るようになる。
負けるから行動力が格段に高まる。
負けるから本気になれるのだ。
インプットばかりしていては進歩など望めない。アウトプットして体感で喜び痛みを感じるから、インプットの質が格段に向上し生産性も圧倒的に高まるのは誰もが否定しようのない事実。
これはビジネスも全く同じ。
ビジネスも身体感覚で覚えるもの、原理はスポーツと全く同じだ。
私はビジネスはスポーツで例えるなら総合格闘技と思っている。人、モノ、カネ、情報、あらゆるリソースを全身の知恵を振り絞り、一つの最適化されたものにまとめ上げ、大きな付加価値を形成し、その付加価値を相手に主導権を握られることなく自分が主導権を握り社会へ提供していく。
ビジネスは机の上のお勉強だけで出来るものではない。思考能力、コミニケーション能力、交渉能力、企画能力、セールス能力、マーケティング能力のあらゆる要素を、自分の持てる限りの創造性とエネルギーで本気でぶつけ合い融合させていく、一つの商品を作る過程は関係者の魂のぶつかりそのものだ。
人はゴールが多ければ多いほど、負けの数は増える。希望の数だけ失望の数も増えるのだ。
逆説的に言えば、負けがなければ勝ちもない。
失望がなければ希望もないのだ。
負けの数が増えれば増えるほど勝利の数も増えるのだ。
失望の数が増えれば増えるほど希望の数も増えるのだ。
だから負けを知ることが非常に大切になる。
だから失望を経験することが非常に大切になる。
あなたの闘争本能に火がつき、圧倒的な集中力が生まれ、勢いを加速させ、あなたの本気にスイッチが入る、それがあなたの潜在能力を一気に開花させる必要不可欠な条件となる。
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