相手に勝つ、相手に負けてはいけない、状況に応じて様々な表現方法があると思うし、それらを否定するつもりは毛頭ない。
その瞬間瞬間相手との真剣勝負で負けてはいけないと思うとき、相手に勝つことに集中するのも全く間違いはないと思う。
ただここで一つ視点を変えてみたい。
相手との勝負を脳の仕組みから捉え直していきたいのだ。
脳の仕組みから考えていくと、現状と理想のギャップが大きければ大きいほど、創造性とエネルギーが大きくなっていくのは間違いのない事実だ。
その理想を考えていく場合、やはり抽象度と言う概念が非常に役に立つ。次々と大きな括りで物事を捉え、思考のピラミッドを大きくしていく思考プロセスが抽象度を上げると言う事。
この抽象度を上げると言う考え方が理想を考える際に存分に応用していくことが極めて大切。
例えば仕事で人間関係のトラブルがあったとする。人は感情的になれば、その相手との一対一の関係に固執し自分が優位に立とうとする。そうなると、どうしても自分の小さな世界に囚われ、周囲が見えなくてなってしまう。
それを一対一から捉えるのではなく、自分とチーム、自分と会社、自分と地域社会、自分と世界と言う軸で物事を捉え直していく。
一対一と言う関係に固執している小さな自分を完全にリセットしていく。現状の世界から完全に切り離していく感覚で良い。
或いは今この瞬間と言う視点よりも、この出来事が5年後、10年後、30年後、50年後、100年後に自分、或いは他者がどう捉えられるか、時間軸を大きく広げ考えていく。
より大きなスケールで周囲を巻き込みながら、未来思考でより大きなスケールで時間軸をリセットしていく。それが現状の外側のゴール設定、つまり抽象度を上げていく基本の考え方。
この思考プロセスによるゴール設定で現状とのギャップがどんどん大きくなっていく。このギャップがあなたのモチベーションとクリエイティビティーの原動力になるのだ。
こう考えていけば、私は冒頭でその瞬間瞬間相手に勝つその考えは間違いではないと表現したが、その瞬間瞬間に自分が持てる限りの創造性とエネルギーを発揮していくためにこそスケールの大きい思考が大切なのだ。決して一対一の小さな世界に囚われてはいけない結論になる。
一対一の小さな世界に囚われ自分が優位に立つことがゴールではないはずということに気付くのだ。
仮にあなたが一対一の勝負にどうしても勝ちたいとする、その勝負に勝ちたければ勝ちたいほど、一対一の関係で捉えないことだ。何故なら一対一の関係で捉えないスケールの大きい思考があなたの創造性とエネルギーを最大限に高めていくから。
研ぎ澄まされた最高の集中力は、スケールの大きな思考から生まれるのだは間違いない。
結局は相手に勝つと言うあなたの小さな世界が、あなたが相手に勝てない大きな原因となるのだ。
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